Q DVのように暴力を振るわれているわけではありませんが、暴言が酷いです。これは離婚原因になりますか?

A 具体的な状況にもよりますが、暴言が酷いことが離婚原因となることはあります。

  単発の暴言だけの場合は、離婚原因にはなりにくく、継続的に暴言を吐かれているような場合は離婚原因と認められる可能性はあります。

 自分に対して暴言を言い続ける人とは円満な夫婦関係を築いていくことは難しいですし、そのような暴言を切っ掛けとして離婚を決意する人はいると思います。そのような場合、相手の暴言を理由として離婚を請求したいと考えると思います。

 相手の暴言を理由に離婚請求をしようとする場合、裁判などでは、こちらが「暴言が酷かった」と主張したとしても、それを相手方が素直に認めるとは限りません。相手が暴言を否定する場合、「暴言」という事実を証明する証拠が必要となります。

 「言った」「言わない」の議論となった場合、基本的には、暴言を言ったと主張する方が、その「暴言」の事実を立証する必要があります。その立証の際に、ご本人がスマートフォンやICレコーダー等で暴言を吐かれている様子を録音している場合、その録音データは立証のために役立ちます。また、最近では、LINEでのやり取りの中で暴言を言われているような場合もあり、それらのデータも立証に役立ちます。

 また、一言で「暴言」と言っても、その状況や言われ方などもあると思いますので、その具体的な状況を詳しく分析して主張すれば、必ずしも、録音データ等の証拠がないという場合でも、暴言の事実が認められる可能性は十分あります。「言った」「言わない」という議論になった場合、証拠が無ければ立証は難しいということは確かにその通りですが、具体的な状況を見ていくと、「言わない」と主張している方の言い分に矛盾が出てきて、「言った」という方が認められることも、それなりにあります。

 継続的に暴言を吐かれているような場合は、その暴言が日常生活等にも影響をしてくる場合が多いと思われますので、暴言を言われたと主張する方からすれば、「暴言を言われた」という主張に説得力を持たせやすくなりますし、他方で「暴言を言っていない」と主張する方の言い分には矛盾が生じやすくなりますので、実際の暴言の録音データ等の証拠がなくても暴言の事実が認定されやすくなると思います。


 ただ、多かれ少なかれ、どの夫婦でもケンカをすることはあり、その夫婦ゲンカの中で言い過ぎてしまったということもあります。そのような単発の夫婦ゲンカの中での一部を切り取って「暴言を吐かれた」と主張して、それが直ちに離婚原因になるかというと、そうでもありません。

 単発の暴言を、さも日常的に言われているかのような主張がされたりして、そのケンカの録音データ等が提出されるような場合もありますが、それだけで、離婚が認められるということも、なかなか無いのではないかと思います。

 

 離婚したいと思うようになった切っ掛けが、相手の「暴言が酷い」ということだったということは割とあると思いますが、いざ、調停なり裁判でなりで離婚請求をする場合は、その他の理由も追加されると思います。例えば、相手の暴言が酷い、そのため、離婚したいと思った、離婚の前にまずは別居から始める、と言う場合は、「暴言」の他に「別居期間」ということも加わります。

 別居期間が長ければ、離婚は認められやすくなるとよく言われていますが、その別居を開始した理由が、自分に非があるのか、相手の方に非があるのかによっても、どの程度の別居期間で離婚が認められるのかということに影響してきます。

 「暴言」だけでは、離婚原因としては弱い場合もありますが、上に書いたように「別居期間」という別の離婚原因の裏付けにもなったりしますので、実際に離婚請求をする場合は、その辺りの事情も上手く組み合わせて主張していくことになると思います。

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